ひとつ、聞いてもいいですか。
あなたの実家の登記簿には、いま誰の名前が書いてありますか?
……すぐに答えられた方は、おそらく少数派です。
亡くなったお父さんの名前のまま。あるいは、おじいさんの名前のまま。
そんな家が、岡山倉敷にもたくさんあります。
そして、その”そのまま”にしておける時間は、もう半年を切りました。
岡山倉敷不動産エージェントとして、今日はこの話をさせてください。
岡山倉敷不動産エージェントが見た「知っている」と「対象だと気づいている」の差
2024年4月、相続登記が義務になりました。
不動産を相続したと知った日から3年以内に名義を変えなければならず、正当な理由なく放っておくと10万円以下の過料の対象です。
ここまでは、ニュースで聞いたことがある方も多いでしょう。
ところが……落とし穴があります。
義務化より前に相続した家も、名義が変わっていなければ対象なんです。
その期限が、2027年3月31日。
法務省が2025年秋に約9,300人へ行った調査を見てみます。
・相続登記の義務化を聞いたことがある:71.6%
・義務化前の相続も対象だと聞いたことがある:40.2%
その差、31ポイント。
しかも後者は、前年の調査で40.4%。
1年たっても、ほとんど増えていないんです。
年代別に見ると、さらに気になる数字があります。
義務化そのものを「聞いたことがない」と答えた人は、70代以上で18.0%。
ところが40代では33.2%と、全世代で最も多かった。
親の家を引き継ぐことになるのは――まさにこの世代なんです。
そして、親が元気なうちに話し合っておけるのも、この世代です。
知られていないことは、ほかにもあります。
100万円以下の土地なら、相続登記の登録免許税がかからない。
この免税措置が延長されたことを知っている人は、23.2%でした。
使えば負担が軽くなる制度ほど、知られていない。
これが現実なんです。
相続の相談は、「登記」から始まらない
たとえば、こんな場面を想像してみてください。
お母さんが施設に入ることになった。
空く実家を売ろうと思い、登記簿を取ってみたら――名義は、20年前に亡くなったおじいさんのまま。
相続人は、お父さんの兄弟、その子どもたち……。
会ったこともない親戚の判子が要る。
こうなると、売りたくても売れません。貸すにも話が進まない。
時間がたつほど相続人は増え、話し合いすら難しくなっていきます。
国の2016年度の地籍調査では、登記簿から所有者の所在がすぐに確認できない土地が、すでに約2割ありました。
特別な家の話ではないんです。
では、まず司法書士に頼めば解決するのか。
実は……そう単純でもないんです。
登記の手続きは、司法書士の仕事です。
でも、その前に「この家を誰が引き継ぐのか」が決まらないと、手続きは始められません。
そして、それを決めるには材料が要る。
売ったらいくらになるのか。貸したら月いくら入るのか。持ち続けたら、固定資産税や修繕にいくらかかるのか。
この数字を出せるのは、不動産の現場にいる人間です。
売る、貸す、残す。
どれを選ぶにしても、家族が同じ数字を見ていなければ、話し合いは感情のぶつけ合いになってしまいます。
相続の相談は、登記ではなく「この家をどうするか」から始まる。
私は住宅・不動産の仕事を30年続けてきて、そう感じています。
「どこに相談すればいいか分からない」ときは
「この家、どうしたらいいでしょう?」
そう思っても……まだ何も決まっていない段階で、司法書士や税理士の事務所を訪ねるのは、少し敷居が高いと感じる方も多いはずです。
RE/MAX VALUEには、FP1級の私をはじめ、行政書士、大手ハウスメーカー出身のメンバーがいます。登記は司法書士と連携しています。
まずは、ご実家のいまの価値を調べる。
売る・貸す・残す、それぞれの数字をご家族と一緒に並べる。
そのうえで、必要な専門家へおつなぎします。
こんな方は、一度ご相談ください。
・実家の名義が、亡くなった親や祖父母のままかもしれない方
・兄弟姉妹で、実家をどうするか話がまとまっていない方
・親が元気なうちに、家のことを話し合っておきたい方
期限まで、あと半年足らず。
戸籍を集めるのも、家族で話し合うのも、思った以上に時間がかかります。
最後に、もう一度だけ聞かせてください。
あなたの実家の名義は――いま、誰になっていますか?
その答えを確かめることが、ご家族で話し合う最初の一歩になるはずです。

